
自動車技術総合機構とは
「独立行政法人自動車技術総合機構」は、一般的に「車検」と言われる自動車の審査を専門的に行っている組織で、全国93か所の車検場で約1,000人の職員が働いています。また、交通安全環境研究所という部門では、メーカーの販売前の新車の認証審査や新技術に関する研究、自動車のリコールに関する検証等も行っています。
自動車の審査や研究、試験等を通じて、交通社会の安全環境の確保を図る国土交通省所管の公的機関です。
主な仕事内容
検査場での業務
全国の自動車検査場での審査業務
(いわゆる「車検」)
- 自動車の外観検査(灯火器類や車検証との同一性確認)
- テスタによる審査
・ スピードメーター検査
・ ヘッドライト検査
・ ブレーキ検査
・ 排気ガス検査 - 下回り検査
- OBD検査(車の電子的な検査)
- 書面等による審査等
交通安全環境研究所での業務
- 試験研究を通じた、安全・環境に係る国の施策立案・基準策定支援
- 自動車型式審査を通じた、大量生産される新車の事前チェック
- 自動車のリコールに係る技術的な検証を通じ、リコールのより迅速かつ確実な対応の促進
必要なスキル・資格
- 自動車に関する知識
自動車整備士の資格は必須ではありませんが、自動車の構造、整備方法などの知識は業務を進める上で役に立ちます。また、最新の自動車のコンピュータ制御に関する知識は、2024年10月から開始された「OBD検査」において有用な知識です。 - コミュニケーション能力
検査場では、チームで連携することや、申請者(受検者)とのやりとりもありますので、コミュニケーション能力は重要なスキルです。 - 普通自動車運転免許
検査場外での街頭検査や出張検査場での審査業務時には、車を運転して移動することもあります。
卒業生紹介
- 古川 耕太郎さん
- 2020年 高度自動車科卒業
- 独立行政法人 自動車技術総合機構
近畿検査部検査課 勤務
国土交通省の業務の一環として、
車検をはじめとする審査業務を担う
私は、自動車技術総合機構で検査官として勤務しています。主な業務は、自動車の車検や車検証に記載される数値の測定や計算などに代表される審査業務です。改造車両の強度確認等に関する書類審査、改造審査結果通知書の発行、軽自動車から普通自動車に変更した場合などに保安基準に影響する改造が行われた際の確認も行っています。
国土交通省の業務の一部を担い、自動車の安全に直接関わる責任ある仕事には、やりがいを感じます。業務は多岐にわたり複雑な基準があるため勉強が必要ですが、研修制度が整っていてレベルアップしやすい環境だと思います。学べば学ぶほど業務に生かせますし、同僚と知識を共有するのも楽しいです。待遇面でも、国家公務員に準じた給与や休暇、充実した福利厚生が魅力です。オンとオフの切り替えがしやすく、プライベートも充実しています。将来は、機構本部や交通環境研究所での業務にも携わっていけたらと考えています。
トヨタ神戸自動車大学校で学んだ自動車の構造や名称の知識は、現在の業務に直結しています。また、4年課程で培ったチームワークやコミュニケーション能力も、チームで連携して作業を進める上でとても役立っています。4年間友人とともに成長できた時間はとても貴重で、卒業後のつながりも強いです。国家資格の取得だけでなく、一生の友人を得られる場所だと思います。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!
- 東 昇生さん
- 2021年 高度自動車科卒業
- 独立行政法人 自動車技術総合機構
近畿検査部検査課 勤務
現場のエンジニアからも頼られる、
デンソー品質を支える技術サービス職
私は、新規検査や改造自動車・並行輸入自動車などの書類審査をはじめとする審査業務を担当しています。また、整備不良車や不正改造車の排除を目的とした街頭検査、モーターショーやカー用品店での不正改造防止の啓発活動などの業務も行っています。
自分の検査した車両が、安全に公道を走行してくれるとやりがいを感じます。乗用車だけでなく、大型トラックや特殊車両、バイクといった幅広い車両に携われる点も魅力です。車検の基準が改正されるたびに最新の情報を得られることも、この仕事の魅力だと感じています。法令について深く理解することで、スキルアップにもつながっています。
トヨタ神戸自動車大学校で学んだ自動車関連の法令知識、自動車の構造や部品の役割、そして的確に情報を伝えるコミュニケーション能力は、現在の仕事に大いに役立っています。これらの学びを基盤に、受験者にわかりやすく説明しながら業務を進めています。
トヨタ神戸自動車大学校は、自動車知識を身につけるのに最適な学校です。国家資格取得に向けた手厚いサポートもありますし、将来自動車業界に入ったときにも、他の人より有利なスタートを切れる環境だと思います。