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テクニカルライターとは

製品マニュアルの編集・作成

テクニカルライターとは、工業製品の取扱説明書、修理書などを作成するライターのことです。どんな製品にも取扱説明書や修理書が不可欠であり、さまざまな業界にテクニカルライターは存在します。

自動車整備の知識が活かせる仕事

テクニカルライターには、その製品の技術的な知識が求められます。自動車整備士が使用する修理書を作成する場合、当然「自動車整備」の知識と経験が必要になります。正しい整備手順が記載されていないといけません。また、自動車によっては新しい技術が搭載されているので、整備士が見てわかりやすいものである必要があります。学校で学んだ自動車知識を活かしながら、新しい技術への理解を深めていける仕事です。

将来の展望

取扱説明書や修理書などの「技術マニュアル作成」は、現在システム化・IT化が進んでいる分野です。基本的には「マニュアル作成システム」などを利用して編集・執筆します。システム化には、情報の管理の効率化、修正作業などの自動化などの面で大きなメリットがあります。また、情報をシステム化することでマニュアルの形態も変わっていきます。現在、整備士が装着するAR自動車整備マニュアルの開発等も進められています。

主な仕事内容

取扱説明書や修理書の編集・執筆

自動車の取扱説明書や修理書の編集・執筆を行います。そのため、基本的にはデスクワーク中心です。

客先訪問や打ちあわせ

社内会議はもちろん、納品先である自動車メーカー、マニュアルに掲載するイラストの制作会社との会議など、打ち合わせの機会も少なくありません。最近ではオンライン会議も定着しています。

車両の取材

特に新製品などの場合、マニュアル制作に必要な情報が手元にないケースも少なくありません。その際は自動車メーカーを訪問し、発売前の車両を取材することになります。新しい機能や整備・分解手順を確認したり、ときには部品を取り付けるまでの時間を測定したりなど、正しい情報をマニュアルに反映できるよう慎重に調べます。

必要なスキル・資格

  • 自動車知識自動車整備士の資格は必須ではありませんが、自動車の構造や作動、整備方法などの知識は業務を進める上で非常に役に立ちます。また、最新の自動車のコンピュータ制御に関する知識は、この仕事において大きなアドバンテージとなるため、国家1級自動車整備士資格の取得をお勧めします。
  • コミュニケーション能力一般的な職種と同様、コミュニケーション能力が求められます。高度自動車科のカリキュラムにはテーマ研究授業や卒業研究などがあり、チームで研究活動に取り組むことでコミュニケーション能力やチームワークを培うことができます。
  • 普通自動車運転免許

トヨタ神戸自動車大学校で取得可能な資格、国家資格

卒業生紹介

中尾山 竜介さん
2017年 高度自動車科卒業
(株式会社シイエム・シイ
コンテンツチェーン戦略本部
第3戦略部 関西情報デザイン室 勤務)

整備知識を最大限に活かして
テクニカルライターに

入社当初はトヨタ自動車多治見サービスセンターで診断修理書、新型車解説書の執筆を担当し、現在は大手機械メーカーにて診断/脱着修理書や故障診断フローチャート、教育コンテンツなどの制作を行っています。モビリティ業界の進化に伴い、AR/VRや生成AIなどの最新技術を視野に入れ、新たな情報提供の形に向けた検証も行っています。

トヨタ神戸自動車大学校で学んだ自動車の基本メカニズム、電気配線、故障診断などの知識は、テクニカルライターの基礎となっています。培った知識と職場での経験を活かし、簡潔にわかりやすく伝え、ユーザの満足度を向上させていくことが、この仕事のやりがいです。

物心ついた頃からクルマが好きで、高校の先輩の紹介で整備専門学校の存在を知り、トヨタ神戸自動車大学校に入学しました。最初は知識がなく不安でしたが、先生方の手厚いフォローと友人との学びで楽しいキャンパスライフを送りました。この4年間は、本当に濃厚で楽しい時間でした。皆さんも不安があるかもしれませんが、入学後は安心して学べる環境が待っています。