損害保険アジャスターとは
自動車の事故の損害調査(自動車の物損事故による損害額や事故の原因・状況など)を行い、修理費用などの保険金の支払金額を決定する仕事です。アジャスターになるには、所定の研修を経てアジャスター資格試験に合格する必要があります。そのためには、自動車の構造や機能の知識はもちろん、関係する法令や自動車工学に関する知識も必要となります。
主な仕事内容
アジャスター規則により、資格を取得したうえで、『「保険事故」に関し、損害車両の損害額、事故の原因および損傷部位と事故との技術的因果関係の調査確認ならびにそれらに付随する業務を行う』と「アジャスター規則」に定められています。具体的には、修理工場を訪問して実際の損傷車両を確認しながら、整合性有無(報告どおりの事故かどうか)の確認をし、復元「修理」をするための「報告書」を作成します。また、修理工場から送られてきた損傷車両の「写真(画像)・見積書」の修理見積内容や整合性が適正か否かの確認、事故の「原因調査」などの業務を行います。
アジャスターは弁護士の補助業務を行うための「物損事故調査員」という資格を持っていますので、社内業務では、相手の方や相手方加入の保険会社の担当者と「損害額」「過失割合」についての交渉等の業務を行うこともあります。アジャスターの業務は、不幸にして発生した自動車事故の解決・保険金のお支払いに関わる業務として、上記のように、幅広い知識(理学・工学、法律、文章力)、交渉力、正義感、積極的な姿勢が必要で社会的にも重要な仕事であり、大変やりがいのある仕事であるといえます。
必要なスキル・資格
- 自動車知識 自動車整備士の資格は必須ではないですが、自動車の構造や作動、整備方法などの知識は業務を進める上で非常に役に立ちます。また、最近の自動車のコンピュータ制御内容まで理解している方は、社内において貴重な人材となります。そのため、国家1級自動車整備士資格の取得をお勧めします。
- コミュニケーション能力 職種を問わず社会で求められるコミュニケーション能力は必要とされています。高度自動車科のカリキュラムにはテーマ研究授業や卒業研究などがあり、チームで研究活動に取り組むことでコミュニケーション能力やチームワークを培うことができます。
- 普通自動車運転免許
卒業生紹介
- 玉野 卓也さん
- 2008年 自動車整備科卒業
- (あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
大阪第一サービスセンター 勤務)
万が一の事故の際、
お客様にご安心いただけるように
現在は、近畿画像調査グループで技術アジャスターという仕事をしています。この仕事は車両整備の知識はもちろん、板金・塗装といった車体修理の知識、交通事故における法律知識や交渉におけるコミュニケーション能力などが求められる、非常にやりがいのある仕事です。お客様の万が一の事故の際、一刻も早くご安心いただけるよう迅速に対応し、事故原因の究明、適切な損害評価などを車両の損害状態から見極め、調査していきます。こうした見極めのベースとなっているのがトヨタ神戸自動車大学校で学んだ知識です。
私がトヨタ神戸自動車大学校に入学したのは、スポーツタイプのクルマが峠を走るテレビ番組でクルマに興味を持ったのがきっかけでした。当時はクルマの名前は多少わかるものの専門的な知識はゼロだったので非常に不安でしたが、入学すると講師の方々がわかりやすく親身に教えてくださいました。また、豊富な教材を用いた講義でしっかり学び、2年間で2級整備士資格を取ることができました。学校に寄せられる求人もディーラーをはじめとして非常に幅広く、その中でアジャスターを選択しましたが手厚くフォローしていただいたと感じています。有意義な学校生活を送ることができました。